夢の跡地

ちいさな夢を叶えたら書くブログ

08 占いに行く

 特に悩みもないけれど、なんとなく「久しぶりに占いに行きたいな」と思ったので行ってきた。神戸の老舗占い館(と占い好きの妹が言っていた)。霊感タロットという不思議な文言を見て、直感で「この人だ!」と思った。ちなみに、わたしの直感は外れない。いやな予感も百発百中。外れろよ、そういうことは。いいことに敏感であれ、わたし。

 さて、不思議な霊感タロット占い師さんは宝塚歌劇団の方かしら、と思うほどのうつくしさ。おおう、これはなにを言われても信じたくなっちゃうな。カーテンの中に入り、いくつか質問があるのかと思いきや、テーブルの上に両掌を晒すことに。手相? 手相なの? と思いながら占い師を見ると目を閉じている。見えてねえ……ほんまに霊感一本かい。心の中であれこれツッコミつつ占い師の言葉を待っていると、思いがけないことを言われた。

「あなたは幸運体質です。でも、あなたは自分が幸運体質だと気づいていません」

 ええ、まったく思ったこともございませんよ、わたし。さすがに「はい」以外の返事がなく(すげえなそれもそれで)、続きの言葉を待つと、やはり予想外の言葉が飛び出した。

「だから、あなたの幸運にあやかろうと群がる人が後を絶たない。あなたが幸運を引き寄せる邪魔をする人も、たくさんいます。ただ、あなたはあなたがいいと思ったものを信じて大事にすることで、必ずしあわせになれます。はっきり言います。他の人が喉から手が出るほどの幸運を、もう持っています」

 ……そうでしょうね。なんとなく、そんな気はするんだよ。そうじゃなきゃこんなふうに毎日過ごせてないなって思うし。立派なこととかでっかいこととか成し遂げようなんて思ったことないけど、でも「やろう」と思って「やった」ことは、自分にとってかけがえのない経験になってた。なるほど。そういう自分の人生を「幸運体質」って思うことも、なかなかいいかもしんないな。

 それから占い師はわたしがこれからどうすればいいかをやさしく力強く教えてくれた。タロットも、見たことない絵柄しか出ないからいいか悪いかさっぱりわからなかったけど、光り輝く一枚が真ん中に出てきたとき、「やっぱり出るんかい」と思った。

 帰り際、占い師に「どうしても困ったときはまた来てください。きっとあなたなら、自分の力で解決できますよ」と言われて、悩みがないことがバレていたのかも、なんて思った。それもこれも、占い師の人生経験上の「直感」だったりして。そうだとしたら、わたしは初対面だったけどあの占い師の言葉は信じるよ。わたしも「この人いいな」って思ったもんね。

 占いのおもしろいところは、結局はアナログに「人対人」ってところ。占うのはAIじゃなくて人。だからおもしろい。意味のないことに意味を持たせることって、時に不安をあおるだけだったりもするけど、思ってもいない励ましをもえらたりする。当たるも八卦当たらぬも八卦。都合よく、機嫌よく生きていきたいもんですね。