子どもの頃からピアノを習っていたこともあって、爪は短く切るものというのが染みついていた。深爪が当たり前。噛み癖があるわけでもないのに、ちょっとでも伸びるとイライラしてすぐに切って。まあ、それが当たり前だったから、なんの違和感も抱かなかったんだけど。
先日、ほぼボランティア同然で引き受けていた「声楽レッスンの伴奏」の仕事が終わった。コロナで、高齢の先生がやむを得ず引退宣言をしたから。先生は最後まで「こんな幕引きなんて」と嘆いていた。華々しく終われることばかりでもないんだと思った。
だから、と言うと大袈裟だけど、「視界に入る指先」が華やかだったいいな、と思った。せめてこれくらいは、とも思った。見た目が地味だから華とは無縁の人生だったもんで。
そういうわけで(端折ったなぁ、大胆に)、はじめは控えめに薄いピンクにした。自爪を伸ばす目的と、割れやすい爪の保護(ここはキューティクルオイルでも栄養補給!)のため。それから、事務仕事だから職場でびっくりされないための。
とは言え、そんな打算盛り盛りの選び方でも、かわいいものはかわいい。自分の指じゃないみたいでわくわくドキドキ。こうなったら手の甲もすべすべになりたいなぁ、という欲までむくむく。
職場でパートさんに「ちょっとずつえぬさんが変わっていったりして!」と言われて「それはそれでいいですね!」と答えてしまった。変身願望はずっとあったけど、結局「なにをどうやってもわたしはわたし」って変な方向に開き直ってた部分もあって。でも、こうやって少しずつ、やってみたかったことができるようになったわたし、確かにちょっとずつ変わってるんだよな。
ちいさな夢を叶えたら書くブログだけど、夢には続きがあるもんです。「ジェルネイルをする」から、「ネイルを楽しむ」までになれたらいいな。新しい夢が出来てしまった。まだまだこれから。