夢の跡地

ちいさな夢を叶えたら書くブログ

02 えぇ島、アポロを迎える

 ニンテンドー64のソフト「どうぶつの森」が発売されたのは、今から20年前の春のことだった。わたしはポケモンにドはまりしていた子どもだったが、同時に平和をこよなく愛する子どもでもあった。捕まえたポケモンは友だちだと言い張り、強くなることより一緒にいる時間を大切にしたい、という絵に描いたようなアニポケ世代を生きていた。

 そんなわたしが、「どうぶつの森」に手を出さないはずがなかった。見知らぬどうぶつたちと触れ合いながら、村の行事に参加しつつ、ほのぼのとマイペースに暮らすゲーム。なんと魅力的か。すでに現代社会の端っこで、学生時代に味わうであろう挫折(いじめ・教師からの圧力・伸びない成績エトセトラ)を一通り味わった気でいたわたしは、この「村」という世界観に一瞬にして惹かれた。毎月買っていたファミ通に速報が載ってすぐ、買うことを決めた。

 「どうぶつの森」の魅力はなんと言っても四季がきちんとあるところだと思う。あの頃から、わたしは四季というものを無意識下に愛でていたということでもある。三つ子の魂百まで。ああ、恐ろしや刷り込み。前置きが長くなったが、それだけ思い入れも思い出もある「どうぶつの森」の、最初に出会ったどうぶつのひとり(一匹)が、言わずもがなアポロだったから。

 そりゃあ、迎えたくなるでしょう。二十年越しの再会ですよ。その間、e+やらとび森やら、ちょこちょことやってはいたけれど、勝てない。初期の、無印の、あの思い出には勝てない! 無理! そうは言いつつポケキャンでちゃっかりアポロいるけど!

 そんなこんなで「あつまれどうぶつの森」でのアポロ勧誘計画がはじまったわけですが、当初は「離島ガチャ」の予定でした。丸一日かけて離島に行ってアポロが出るまで飛び回るという、あれ。でもね、見つけちゃったんですよ~~~amiboカードを~~~~~古本市場で~~~~! しかも大晦日に~~!

 運命じゃん? 三日がんばれば島に来るなんて最高じゃん? 3,000円でおつりくるなら安いじゃん? これは大人の特権じゃん?

 ということで、迷いなく買いました。そして、三が日にせっせと勧誘しました。キャンプサイトに召喚して、一日目は「おり」(なにに使うの?)、二日目は「まるたのダイニングテーブル」(これはわかる)、三日目は「どら」(だからなにに使うの?)というそこそこ独特なセンスを見せつけられつつ、ミッション達成!

 いざ、我が島「えぇ島(しま)」に来ると、まあ~~~~~~~似合わない。アポロのあのシュッとした顔と、そこそこでかい図体と、渋くてかっこいいパイロットジャケットのいでたち。うちの島はそんなかっこええ島じゃね~~~~~どこにでもありそうな平凡極めた島なんじゃ~~~~~! アポロ兄さんめちゃくちゃ浮いとる~~~~!

 なんだか急に申し訳なくなってきたので、しばらく話かけまくって、プレゼント攻撃で島に馴染んでもらおうと思います。ニット帽でもかぶってもらうか。ちょっとかわいさ欲しい、うん。あと、シベリア兄さんと仲良くなって欲しい。レムのことは怒らないであげて欲しい。多分、無理だけど。仲裁しよう。そうしよう。まだまだやることいっぱいあるな。ようやく島民が十人になったので、しばらくコミュニケーションの鬼となって島民代表らしく走り回りたいと思います。

 性格が「コワイ」で顔もコワイめのアポロ。その硬派なイケメンぶり、えぇ島でも発揮してくださいよ。ようこそ、アポロ。これからもよろしく。